最低賃金決定!?今後のインドネシアはどうなる!?

ここ数週間、最低賃金でゴチャゴチャしていたインドネシアですが、最低賃金も決まり、なんとなく今後の動向が見えてきました。
労働・移民省によると、11月1日の期限に合わせて15州が最低賃金を決定したとのことです。
ジャカルタは今年比11%アップの約244万ルピアで決定したとのことです。
その他、パプアは約11%アップの190万ルピア。リャウ諸島州は7.7%アップの166万ルピアに決定したとのことです。
しかし、県・市単位で最低賃金を決めているところも有り、日系会社が多く入居するジャカルタ東部のブカシは290万ルピアになる可能性があるとのことで、ジャカルタよりも賃金が高い地区となる可能性があるとのこと。日系企業への影響は避けられないでしょう。
また、政府が決定と発表しておりますが、労働組合(デモ隊)と合意したわけではなく、一方的に決定したとのことですので、情勢不安が長引く可能性があります。
今まで340万ルピアにしろと強行に要求していた労働組合が100万ルピア減の240万ルピアで「おっけ~ふふふっ!」と合意するわけがないのです。
何はともあれ、300万ルピアまで上昇することは恐らくありませんので、とりあえず一安心ではないでしょうか。
と「何を1万円ぐらいでグタグタ言ってんだ!」と思われるかたもいらっしゃるのかもしれません。この給料の1万円が企業だけではなく、インドネシアという国を決めるといっても過言ではありません。
単純に計算して、100人の工場で1万円賃金が上がると、何もせず人件費が月当たり100万円上がります。1年で1200万円です。
1000人規模の工場ですと、月当たり1000千万円、年間1億2000万です。

もちろん給料が上がっても、生産性が1万円分向上するわけではございません。今まで10個作れたものが15個できるなんてことはありえません。ましてインドネシアでは絶対に無理で、最初だけ気合入れますが、数ヵ月後にはすぐに元に戻ってしまうでしょう。
不景気の中でそんな有り得ない計算に付き合いきれる企業は少ないでしょう。
となると、インドネシアより人件費の安いベトナム、ミャンマー、生産性高く立地の良い中国、はたまたインフラも整っている日本人に人気のタイに工場を移転という話になってくるでしょう。
結果としてインドネシア人の働き口がなくなり、外貨獲得も少なくなったインドネシアの経済成長は急激に鈍化することでしょう。結局はインドネシア人にツケが戻ってくるんです。
私自身、インドネシアの物価も上がっていますから賃金が上がることは賛成です。しかし、去年のように1年間で50%も上がった時には政府が無能、もしくは裏金で操作していると思ってしまうわけです。
そういった意味で、今回の10%前後の上昇は許容範囲内ですので、これを期にインドネシア国内で移管する会社はあっても、撤退する企業はあまりないでしょう。
何はともあれ6日に再度デモがあるという情報が入っております。まだまだ油断できないインドネシア情勢ですが、今週中には何とか、話が纏まりそうです。

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