プロの通訳はすごい!プロから学ぶ通訳術。

海外駐在していると、会議、スカイプミーティングで英語やインドネシア語の同時通訳を頼まれます。
日本語、英語、インドネシア語独特のニュアンスがあり、この同時通訳がなかなか難しい。もちろんプロの通訳者ではないため、高レベルな通訳は求められていませんが、うまく伝わらないと後々大きな問題になったりします。
そんな悩みを抱えていた中、たまたま、サッカー日本代表の通訳の動画を見つけました。さすが、プロの通訳!考えていること、心持ちなど勉強になることが沢山ありました。何より彼らは通訳というよりも、人と人とのかかわり合いが一番大事と思って仕事をしていることが分かりました。
今日はそんな通訳者の動画から勉強になったことをご紹介。

 ダバディ氏のケース

言わずと知れた、トルシエ監督のフランス人通訳、フローラン・ダバディ。
彼はトルシエ監督のちょっとした仕草(手の動きや目の動き)を見て、次に何を言いたいかを予測する為に、観察をしているとのこと。これにより監督が伝えたいことを瞬時に伝えられるとのこと。

また、監督が怒るパターンを熟知しているようで、監督が怒らない様に、訳す言葉の穴埋めをするそう。
例えば日本ご独特の聞き方「おつかれさまです、今日は3−0で負けましたが。。。。。」を直訳するとトルシエ監督は「3−0」という負けが一人歩きし、不機嫌になるそう。
その為、ダバディ氏は「3−0という残念な結果ですが、良いとこ悪いところいろいろあったと思います。今日の試合総括していかがですか?」
とこの。。。。を穴埋めして通訳するそうです。そして周りから「通訳のくせに話しすぎてる!」と批判がくるそうな。
また、トルシエ監督がメディアから批判されているとき、監督も人間ですから精神的に参ってしまう恐れがあったため、ポジティブな情報・ネガティブな情報のバランスをうまくとりながら情報を渡していたそうな。

鈴木國弘氏のケース

日本でも超有名人のジーコ、その通訳を4年間勤めた鈴木國弘氏。まずはジーコが何を考えてるか理解できる様に、毎日6時間一緒にいたそうです。
その為、無意識に監督と同じ行動をしているとのこと。
かれはワールドカップ予選で異例の「通訳退場」になりました。当時ジーコは審判に不満で熱くなっていたそう。
それが分かった鈴木氏は
「ここで監督が退場になったら、次の大事な試合に監督不在になる。。。そうだ、俺が怒ればジーコは冷静になるはずだ!」
という考えを持ち、自分がジーコより先に審判に抗議しに行ったそうです。それをみたジーコは「なんでこいつが怒ってんだよ!そんな怒らなくていいよ」と平静を保つことができたとのこと。
その甲斐(?)もあって「YOU OUT!」と審判から退場命令を受けたそうな。監督やチームを守る為に通訳の仕事以上の仕事をした鈴木氏。彼のプロ意識に脱帽です。

千田善氏のケース

オシム監督の通訳、千田善氏。
監督の目となり耳となる為に、通訳の仕事以上に選手に諜報をしていたそうな。ある意味、監督=通訳のような影武者的役割もしていたような。
通訳の仕事はもちろんですが、それよりも監督や奥さんの体調やメンタルをコントロールも気にされていたとのこと。
プロも苦戦している同時通訳。
通訳するお互いの考え方、文化、バックグラウンドが分からないと完璧な通訳はできません、また言葉ではなく、あくまでも人と人との関わり合いということを忘れてはいけません。これができて初めて海外で活躍できるのかもしれませんね。

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