ある意味賢い!?新手の「就職詐欺」

インドネシアの雇用状況はあまり良いとは言えず、工場などの就職は契約社員であっても就職口を探すのは一苦労です。

特にUMK(最低賃金)が高い地域ではその影響が顕著に現れており、倍率も非常に高くなってきます。

今回はそんな就職活動中のインドネシア人を狙った新手の詐欺についてご紹介します。

裏金就職は普通

就職倍率が高いこともあり、インドネシアでは裏金を使ってでも就職をしようとする人が沢山いるのが事実です。

つまり、人事権がある人間に面接や、前もってお金を支払い、就職させてもらうという非常に典型的な裏金です。

極端な話、雇う側は100人面接に来たとしても、横ならびの人材であれば誰を雇おうとも同じなのです。

その中で「献金」してくれる応募者がいれば、それに乗らない手はないでしょう。

そして、何食わぬ顔で面接し、OKサインを出して、めでたく就職+献金終了、というわけです。

コネが就職を有利にする方法の1つ

コネ就職はインドネシアでは比較的当たり前の方法になっており、インドネシアで働く日本人は「あなたの会社で働き口はないか?」と聞かれることが頻繁にあります。

話を聞いてみると、「兄弟・親戚が就職口を探している」とか「今の職場がよくないから拾ってくれないか」などと言われます。

このような「コネ」で就職させてしまうと他の従業員から「あいつの知り合いだ、コネだ」などと後ろ指をさされかねませんので、「人事権ないから」や「普通に応募してごらん」と遠回りに手助けできないと伝えましょう。

ちなみに、うちの会社でも昔の日本人が「同情」で兄弟や友人をまとめて社員化してしまったので、会社内から「家族就職だ!不公平だ!」と不満タラタラです。

そして今回の詐欺は「裏金」と「コネ」を上手く使った就職詐欺なのです。

詐欺師の手口

それではどのような就職詐欺なのか具体的に見てみましょう。

詐欺師は働き口が掲示してある場所に現れ、求人を見ている人に話かけます(例えばA社の求人を見ていたとしましょう)。

詐欺師は求職者に対して、

「A社の人事部に知り合いがいる、その知り合いに君が就職できるように直接交渉しておくから、通常のように履歴書を送ってごらん。」

と持ちかけます、そして、

「もし仮にA社に就職が決まったら、知り合いへの支払いとしてお金を450万ルピア(約45,000円)振り込んでくれ」

というのが手口です。

ある意味賢い詐欺方法

この詐欺ですが、2点非常に賢いと思う点があります、それは「内部に知り合いがいなくても詐欺が成立する」「成功報酬制の後払い」ということです。

求職者には上記のようなことを伝え、履歴書を送らせますが、実際には詐欺師は何もしないのです。

そして、「正規の方法で」就職が決まり、求職者から支払いが発生するということです。

仮に就職できなくても、無視するか「ごめん、すでにいっぱいだった」など、上手く話せばそれで完結するのです。

また料金を後払いにすることで、就職できなかった際のリスクを負わないようにしています。

期待通りツメが甘いインドネシアの詐欺師(笑)

ちなみに、この詐欺は実際にうちの従業員が被害者なのですが、幸運なことにこの詐欺師のツメが甘く、「電話番号を教える」という失態を犯しています。

後日、「裏金」就職した従業員に電話をしてもらい、追加料金を払うなどど話したところ、ノコノコと現場に現れ待ち伏せしていた警察に逮捕されました(笑)

なんというか、ツメが甘い詐欺師でよかったです(笑)

いろんな詐欺が横行するインドネシア

これはほんの一つの例ですが、インドネシアでは、オレオレ詐欺、交通事故詐欺、通販詐欺などいろいろな詐欺手法があり、日々巧妙化しています。

日本人もいつ詐欺に巻き込まれるかわかりません、お金が絡む話は十分に気をつけましょう。

あと、当たり前ですが詐欺は絶対やめましょうね。

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