2017年のジャカルタ最低賃金が決定！他の東南アジアとも比べてみました。

毎年、10〜11月になるとインドネシア国内では、来年の最低賃金に対するデモが各所で行われるのですが、今年はアホックジャカルタ州知事のデモの影響か大きい為か比較的静かな印象を受けます。

さて、アホックの陰になりながらも2017年の最低賃金 (Upah Minimum Kabupaten) が既に決まってたりします（ジャカルタ特別州のみ）。

今回のエントリーは2017年のインドネシアの最低賃金と、東南アジア諸国と比べてインドネシアの人件費はどうなのか？を考えます。

そもそも、どれぐらい人件費は上がってるの？

例外無く、毎年最低賃金は上がっているのですが、ジャカルタ特別州の過去６年の最低賃金推移を見てみましょう。

グラフで見るとこんな感じ、

グラフにすると見事な右肩上がり、日本では考えられないですね。

インドネシアのような経済発展が著しい国にのみ起こる現象なのかもしれませんね。

特に12年から13年の伸び率は50%に届きそうな勢いで、非常に激しいデモがあったのを今でも覚えています。

当時は日系企業もスウィーピングと呼ばれる「工場強制終了」の被害があり、工場内にデモ隊が押し入り破壊活動を行ったりされました。うちの会社も扉を壊され、ちょっぴり怖い思いをしたのを覚えてます。

「こんな国でやってられるかっ！」とインドネシアから外資系企業が撤退するきっかけになったりしました。

ということで、直近６年はルピアベースではありますが、毎年10%以上の最低賃金上昇が起こっています。

2017年はどうでしょう？

気になる来年、2017年の最低賃金ですがジャカルタでは3,355,750ルピア（前年比+8.3%)と発表になりました。USDにすると約247ドルです。

日本円にすると約27800円というところです。他の地域も8%に届かないまでも同じような上昇率になると考えられます。

さて、この人件費が安いのか高いのか他の東南アジア諸国と比べてみましょう。

実はジャカルタは東南アジアでもトップクラス

お待たせいたしました。それではインドネシアの最低賃金は他の国と比べてどうなのか？比べてみましょう。

そう、ジャカルタ限定ではありますが、インドネシアはタイに次ぐ東南アジアでも有数の最低賃金の高さを誇る国になってしまったのです。

為替の影響はあると思いますが、マレーシアよりも人件費が高いとか・・・・・インドネシアも偉くなったものです・・・・。

これでもインドネシアに進出するか？

さて、日本の方はこれを見てどう感じるのでしょうか？またインドネシア在住者の方々はこの現実が信じられるでしょうか？

仮に私が輸出向けの工場を東南アジアに構えるとした場合、「インドネシアは絶対にない」です。

もちろん、人件費だけがすべてではありませんが、タイやマレーシアに比べるとインドネシアの人材のレベルは絶対に落ちるし（もちろん一概には言えませんが）、何でもかんでもデモばっかりでインフラも特別良いわけでもありません（むしろタイやマレーシアの方が絶対に良い）。

それならば人件費でうま味があるあるベトナムに工場を構えて国と一緒に成長して行くという方がロマンがあっていいと思います。

ただ、インドネシア国内向け製品の工場であれば国内需要は今後伸びて行くのでアリだと思います。

これからインドネシアはどうなるのか？

誤解しないでいただきたいのは私はインドネシアにお世話になっているので、インドネシア人には豊かになってほしいですし、給料がドンドン上がって行けば良いと思っています。

問題は賃金の伸び率と人材のバランスで、ここ数年の賃金上昇と同時に国（人材）が賢くなって来ていると思えないからです。

だって、未だに何かあればデモだし、時間・ルールは守らないし、私が着任した時と何ら成長がないのです。これでインドネシアは大丈夫？と思ってしまうのです。

もっとも私はあくまでも外国人ですので、いざとなったら逃げる事ができますが、外国人がいなくなったインドネシアを想像するとそれはそれで悲惨な状況になりそうです。兎にも角にも皆さんが納得できるようなものになってほしいと願ってやみません。

そうそう、あと最低賃金が上がるとルピアの価値が下がるので、貯金が値下がりするのも嫌なんです（笑）

来年もインドネシアは荒れそうです。一度ぐらい最低賃金あげません！とかってもいいのになぁ〜。