ディカプリオがインドネシア強制退去!?政府の思惑とは?

インドネシア政府はアメリカの俳優、レオナルド・ディカプリオ氏に国外退去の警告したとのこと。本人は既にインドネシアから出国しており、今後はブラックリスト入りも検討するとのことです。

ちなみに警告理由はインドネシアのパーム油産業を批判し、インドネシア政府の信頼を損ねる恐れがあるからとの事。ちなみに以下のInstagramアカウントが問題の発言です。

「パーム油需要拡大のためインドネシアのラウサー生態系が壊され続けています。特に絶滅危惧種であるスマトラオランウータンは絶滅への瀬戸際に追いやられている 以下省略」

個人的にはディカプリオが正しいと思いますが、一方でインドネシア政府の言わんとしている事も分からなくはありません。今回の記事ではインドネシアの産業と国内情勢を考えてみます。

パーム油はインドネシアの重要な産業

パーム油はアブラヤシの実からとれる植物性の油で、食料だけではなく化粧品、石けんやバイオディーゼルなど多岐にわたって利用できます。

インドネシアはパーム油の世界最大の輸出国であるとともに、消費国でもあり、世界のパーム油の約半分はインドネシアで生産されています。


パームオイル主要生産国。2014年の生産はマレーシアの1.5倍。 Ref : Indonesia Investments “http://www.indonesia-investments.com”


過去数年間のデータを見てみると8年で1.5倍以上生産量が伸びているのが分かります。


インドネシアのパーム油の生産と輸出推移。 Ref : Indonesia Investments. http://www.indonesia-investments.com/

インドネシアのパーム油の生産と輸出推移。
Ref : Indonesia Investments. http://www.indonesia-investments.com/


パーム油の大きな魅力は土地さえあれば安価で生産でき、今後世界の人口が増えるに従って需要拡大が見込まれる産業なのです。

去年の東南アジア全体で大きな問題になったヘイズ(煙霧)もパーム油農園を拡大する為に行った焼き畑が原因になっています。つまりインドネシア経済を支える上でパーム油産業はきわめて重要という事が分かります。

そんな中、超有名アメリカンの俳優にパーム油止めろと言われれば、インドネシア政府の心境は穏やかではないはず。インドネシアの経済活動を脅かすものと排除にかかるのも当然で、インドネシア政府も自国民を食わせる為に背に腹は代えられない事情があるのです。

しかし、インドネシア政府は違法なパーム油農園に対策を施し、貴重な生態系を極力壊さないようにパーム油産業との共生を考えないといけないのです。

アチェ洲もキーワード

今回ディカプリオが訪問した国立公園はスマトラ島の北の先端、「アチェ」、インドネシア政府にとっても国家戦略上非常に大切な地域なのです。

その理由は単純、石油や天然ガスなどの天然資源が豊富なのです。一方でアチェ洲はインドネシアからの独立の意思も強いのです。

またアチェ洲は保守派のイスラム教徒が大半を占めている事もありインドネシア国内で唯一、イスラム法が条例に適用できる州なのです。

国教をイスラムではないのに地方自治体がそれを許されているなど、政治的な意味があるとしか思えません。

そんなセンシティブな州で影響力のある人間が政府批判をすると反政府因子が増える可能性があり、特にジャワ島以外にも力を入れ、地方の協力を仰いでいる現政権には逆風にもなりかねません。そのため政府は強硬な姿勢をみせる必要があったのでしょう。

何はともあれオランウータンを守ってほしいです

経済発展が著しいインドネシアにおいて、経済活動と環境保護の共生は非常に難しい問題ですが、インドネシアのアイコンでもあるオランウータンが後世まで存在する事がインドネシアにとっても望ましいと思います。

今後パーム油を使う事がありましたら、インドネシアの事情を少しでも考えてあげる事が大切なのかと思います。

 

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