インドネシアの観光をちょっと真面目に考えてみる

SankeiBizによると、2015年の外国人旅行者は増えたものの、政府の目標1000万人には届かず、約3.1%の伸びの973万人だったとのこと(参考URL)。去年行われた観光ビザ緩和も外国人を呼び込む為の布石だったようで、ある一定の効果は出ているように思います。

観光ビザ緩和はそれはそれで良いとは思いますが、正直なところ「そこだけじゃないだろインドネシア」と思っている人は多くいるはず。

今回はインドネシアの観光を増やすにはどうすれば良いのか、辛口に、そして真面目に考えてみます、そして最後には日本の事も少し考えてみます。

何てもったいない!と思ったバンドゥン、3つの事

他の東南アジアと何が違うか?

同じ東南アジアのタイ王国、観光業がGDPに占める割合が10%程あるらしく、ロイター通信によると2015年の外国人観光客が過去最大の3200万人を突破したとの事です。お隣マレーシアの外国人観光客は約2700万人だったそうです(2014年)。

言わずもがな、タイはバンコク以外にもパタヤ、プーケット、チェンマイなどの誰でも一度は聞いた事がある「バリ級」の観光地が盛りだくさんあります。

マレーシアはタイほど多くはないもの、クアラルンプールはもちろん、マラッカ、ランカウイ、ペナン、コタキナバルなどがあります。

これらの観光地に共通する事は、「何となく観光地をイメージできる」だと思います。

例えば

バンコク=お寺、食べ物

プーケット、パタヤ=ビーチリゾート

クアラルンプール=ツインタワー

マラッカ=海峡(植民地文化)

ランカウイ=諸島、ビーチリゾート

コタキナバル=山

などです。

一方、インドネシアの場合(バリを除く)、各観光地が非常にイメージしにくいのです。

例えばジャカルタと言われてモナス!と答える外国人は何人いるでしょうか?多分渋滞が世界一ヒドいところというイメージが先行するでしょう。

その他にも、

ジョクジャカルタ=あーあのお寺があるとこ?ジャカルタの近くでしょ?(実際は違います)

スラバヤ=どこそこ?なにがあるの?

バンドゥン=どこそこ?なにがあるの?

メダン=どこそこ?なにがあるの?

などなど、知ってる人しかしらないぐらいの知名度なのです。つまり、インドネシアの観光地はイメージが湧きづらく、何があるのか検討もつかない場所にわざわざ外国人は行ったりしないのです。

まずは各都市のイメージ作りから始め、それを確立して行く必要があると思います。

インドネシア人の知識が足りない

インドネシア人と仲良くなると、「ボス!今度俺の田舎に遊びに来なよ!!」など、お誘いを受ける事があります。

その度に「君の田舎には何があるの?」と聞くのですが、大抵返事は「Makananya enak〜, orangnya baik〜(ご飯は美味しいし〜、人はいい人が多いし」という返事しか返ってこないのです。ジョクジャカルタの場合はボルブドゥールがある!というワンパターンです。

ひねくれ者の私は「そりゃ育った街の飯はうまいし、友達も沢山いるから楽しいだろうね、でもわざわざ観光で行く価値なさそうだから、出張でもなら行ってもいいかな〜」というのが正直なところです。

また、私はジョクジャカルタの出身の人によく訪ねる質問があります、その質問とは、

「ボルブドゥール遺跡の横と縦の長さは何mか知ってる?」

という質問です。今のところこれをこれに答えられたインドネシア人は一人もいません。

ちなみに答えは「123m ×123m」です。

これを聞いて、「なぜ?なぜ昔の人はそんな事ができたんだ!」と思わない人はいないと思います。こういった興味から是非行ってみたいなという流れになるのではないでしょうか。

ほとんどのインドネシア人は、地域、都市、街の特色の知識を持っていません。インドネシアの各都市には世界に誇れる何があるはずです、それを幼少期から親や学校で教えて初めて身に付く知識だと思います。自分の街の特色を伝えられるようになって、初めて観光が始まるんだと思います。

インドネシア人に自覚が足りない

私は、インドネシアは世界でトップを争えるぐらい綺麗な場所だと思います。ただし、それはインドネシア人がそれを自覚し、価値を見いだして上手にマネージして初めて生きてくる事だと思います。

が、ご存知の通り、インドネシアはビーチであろうが、観光地であろうがゴミだらけ。

下の写真はタンクパン・プラフ山頂の様子ですが、柵の内側にゴミが沢山捨ててあるのが分かると思います。

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ココが綺麗な場所、貴重な資源ある事を考えればゴミを捨てるなんてもってのほかだと思うのが普通ですが、インドネシア人にはそれが当てはまりません。これも教育で進めて行くしかない、長期的な問題だと思います。

実は日本も人ごとではない?

インドネシアの批判ばかりでしたが、さて、自国、日本はどうなのでしょうか?

日本政府観光局によると、2014年の訪日外国人の数は約1300万人でした。しかし、2015年に急激な伸びを見せ約2000万人まで伸びたそうです。

実は2014年のアジアからの訪日数は1000万人でしたが、2015年になると約1600万人まで増えています。つまり、2014-2015年の伸びはアジア単体の伸びと言っても過言ではないですし、どんどん豊かになっていく訪日アジア人は今後も増えるでしょう。

東京オリンピックを4年後に控え、「日本の何がすばらしいのか?」「外国人に日本の事を聞かれたらしっかり答えられるか?」そんなことを考えながら、しっかり日本の魅力をインドネシア人に伝えて行けたらと思います。

インドネシアはこれからまだまだ伸びて行くでしょうが予想されますが、インドネシア人にはもっと自国の良いところを伝えられるようになり、日本からももっとインドネシア(バリ以外)に観光客が来られるようになれば良いと願っています。

One Response to “インドネシアの観光をちょっと真面目に考えてみる”

  1. より:

    世界遺産級の観光資源を活かせないインドネシア
    ジョグジャカルタ最寄りのボルブドール遺跡、ブラナバン遺跡、コモド島のコモドドラゴン
    外国人ツアー客は来イで先ずはデンパサール空港入り バリ島 その後の移動でジョグジャカルタは面白い趣向ですが、ジョグジャカルタ空港からの出国ではバリで取得したVOAが無いと出国出来ない っていう制約がかなりのマイナスですよー。
    日本でインドネシア方面のツアー相談でバリ➕どこかよりインドネシア出国となればVOA代の4000円の追加がイタイそうです。
    やはり、五大国際空港からの入出国に限った制限がダメですよー。

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