インドネシアのチップ事情、カッコいい渡し方を添えて。

日本にない文化の一つに「チップ」という制度がインドネシアにはあります。

出張者やお客さんとゴルフやマッサージに行くと「チップはあげた方がいいですか?あげるならいくら位が妥当ですか?」と良く聞かれます。あまり渡しすぎると、「チップの相場が上がる!」と現地在住者から苦言を呈されることも多数あり、日本人とってなかなか難しいシステムでもあります。

今回の記事では2015年現在のインドネシアのチップ事情をまとめでご紹介します。

ココでは偉そうに「チップ」と書きますが、インドネシアにおけるチップは「問題を起こさない為の保険料(リスクヘッジ)」とほぼ同意語と考えていただいても大丈夫です。

インドネシアの買収は善なのか悪なのか?

空港のチップ

インドネシアの空港に到着するや否や、オレンジや赤など派手な色の服を着たポーターがカートを押しながら声を掛けてきます。服の背中に「Porter」と書いてあるのがそれです。

荷物が少ない人やチップを払いたくない方は無視して進んでいいのですが、荷物が多いと、彼らの存在は有り難かったりします。そんな彼らに助けてもらった時、荷物一つ当り1万ルピア程のチップをあげましょう。

ただし、暗黙の了解でチップの最低支払いは2万ルピアほどですので、1個の場合でも2万ルピアを渡し、一つ増えるごとに1万ルピアを追加というイメージです。

また、両替前で手持ちのルピアがない場合は外貨でも大丈夫ですが、コインは避けましょう(彼ら曰く、両替でコインは替えてくれないからだそうです)。

チップを渡す時は、彼らのポケットに「Terima kasih (テリマカシ)」とチップを滑り込ましてあげましょう。その時は笑顔で目でアイコンタクトしましょう。

タクシーのチップ

空港からホテルに移動する際、会社、取引先のピックアップがない場合はタクシーを使うことになると思いますが、ココでもチップが必要になります。

チップとは書きましたが、厳密には端数を切り上げておつりをもらわないというのがマナー(リスクヘッジ)です。

例えば、空港からホテルに移動する際の料金が95,000ルピアだったとしましょう。こんなときは端数を切り上げて100,000ルピアあげてしまいましょう。

その他にも

26,500 → 30,000ルピア

73,000 → 75,000ルピア

135,000→150,000ルピア

といったイメージでしょうか。

多めに払い、もらったおつりの一部をチップとして渡すのもありです。ちなみに、インドネシアのタクシーでは「おつりがない」とか平気で言ってきますので、そういうときには面倒なので、おつりは取っとけ!の意で、「simpan aja !! (シンパンアジャ!)」と言うと、カッコ良く切り返せます。

ホテルのチップ

高級ホテルなどではポーターが荷物を部屋まで持ってきてくれることがあります。そんなときにもスマートにチップを渡したいところです。

ホテルなどの場合は1万ルピアか同等の外貨で問題ありません。

チップと渡す時はまずは部屋に招き入れ、荷物を指定の場所においてもらいます。

そして帰り際に入り口まで彼らを送り、「Mas!(マス)」と彼らを呼び止め、金額が見えないように手で隠しながら、そして彼らの顔をみながらチップを渡しましょう。

ベッドメイキングなどを頼む場合も枕元に1万ルピアほどおいておくとスマートでしょう。ただ、実はインドネシア人の中ではチップという文化を知らない人もいる為、枕元に置いておいても、持って帰らないこともあったりします。そういう時は縁がなかったと思い、次回の機会に他の誰かに渡すようにしましょう。

マッサージのチップ

マッサージ後もチップは通例になっています。

インドネシアのマッサージは色々な価格帯があり、ローカルが行く様な店だと2時間で10万ルピアの所もあれば、2時間スパで100万ルピアと、ピンキリですが、私はマッサージ料金の10%を目安にチップをあげるようにしています。ただし、チップ最低金額は2万、最大チップ金額は5万ほどに設定しています。

10万ルピアのマッサージ5万ルピアをあげたりする人もいますが、わざわざ安い店に行って、料金の50%をチップで渡すのは明らかにあげすぎです。もっとも、格別なサービスを受け満足できるものであれば、お礼を添えていくらあげても良いと思います。

チップはマッサージ後、帰り際に顔を見ながら渡しましょう。これもなるべき金額をみせない方がスマートです。

ゴルフ場のチップ(キャディー)

ゴルフプレー後もキャディーさんにチップを渡すのがマナーです。

ゴルフ場によっては2人に1人のキャディーさんの場合と、1人に1人の場合のツーパターンがあります。

前者の場合は各プレーヤーが1人のキャディーさんに、後者の場合は各プレーヤーが各キャディーさんに渡せばいいでしょう。

金額は地方と都心部やゴルフ場の格式で異なりますが、ジャカルタなどでは15万ルピア渡せば問題ないでしょう。ジャカルタ以外の地方であれば10万ルピアで大丈夫です。

チップはゴルフクラブを数える終わった後に、笑顔でキャディーさんの顔をみながら渡しましょう。

おわりに

インドネシアのチップ事情は如何でしたか?最初にも書きましたが、インドネシアのチップは、場所によってはリスクヘッジの意味合いが強いので、因縁を付けられたり、問題になりそうな場合はケチらずにお金を渡しましょう。

たったの1万ルピアで買える安全もあるのです。

チップという日本人にとって馴染みのない文化でも怖がらず、そしてカッコ良くチップを渡してインドネシア在住を楽しみましょう!

3 Responses to “インドネシアのチップ事情、カッコいい渡し方を添えて。”

  1. 吉岡海人 より:

    チップは「問題を起こさない為の保険料(リスクヘッジ)」という表現、たいへん感心しました。文章表現がたいへんお上手で、コラムを読んでいて感心します。

    • chuzaisince25 より:

      吉岡様、

      コメントありがとうございます。

      チップをあげるかあげないかでインドネシアの快適度は全く違うものになります。ぜひインドネシアお越しの際にはチップを渡してみてください。

  2. kohka kentoku より:

    大変参考になりました。ありがとうございました。

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